『月世界へ行く』 ジュール・ヴェルヌ(著)を読んで

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196X年、アメリカ人2人とフランス人の3人の乗組員を乗せた砲弾が月に向かって打ち上げられた。はたして彼らは月にたどり着くことが出来るのか?

アポロ計画の100年以上も前に書かれたもので、今読むとおかしな部分も多々見受けられるが、時代を考えるとこの時代にここまで宇宙の事が解明されていたのか? と逆に驚く部分も多くある。おかしな部分で言えば、宇宙空間で窓を開けるという行為。一瞬ならば大丈夫だと窓を開けるシーンがあるが、気圧の関係で窓は開かないはず(挿絵では手前に引いて開けている)なのに簡単に手で開けているし、もし開けたとしても宇宙空間に素手を出すなんて考えられないが、この乗組員たちは平気で宇宙空間に手を出している。それと月の食に入ったときに砲弾の中でランプを燃やしていたりする。これだって常識では考えられないけど、単なる作り話じゃんと言われてしまえばそれまでだけど、その他の部分で単なる作り話では終わらせられないような、記述も多く見受けられる。19世紀に書かれたものって知らなかったら思わずなんじゃ、こりゃ? って思ってしまうかもしれないけど、19世紀に書かれたってことを知ると、随所に見られる精密な宇宙の描写にはただただ驚かされるばかりだ。

ちょっと変わったSF小説を読みたい人にはお勧めです。

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